塗装不具合の症状・対策
塗装ラインに於ける塗膜・塗料の不具合(症状と対策)
溶剤型塗料
対策
- ■希釈率を下げて溶剤量を減らして塗料粘度を高くする
- ■蒸発速度の早いシンナーを混合して乾燥を早める
- ■厚塗りによる場合は、ガン等塗装装置の条件を見直し、ノズル口径、吐出量、圧力など諸条件を変更し厚塗りになりすぎないようにする
対策
- ピンホール
- ■塗装粘度を下げる
- ■蒸発速度の遅いシンナーを使用する
- ■塗膜厚を薄めにする(規定膜厚にする)
- ■セッティングの時間を長くする
- ■霧化空気圧を高くする
- ■徐々に乾燥温度を上昇させる。(コンベアースピードを下げる)
- ワキ・発泡
- ■下地のピンホールを下塗等で埋める
- ■被塗物表面の水・油等の付着物を除去する
- ■蒸発速度の遅いシンナーを使用する
- ■塗膜厚を薄めにする(規定膜厚にする)
- ■セッティングの時間を長くする
- ■撹拌後、しばらく放置するかもしくは塗料循環を行って塗料中の泡(混入空気)を抜く
- ■霧化空気圧を下げる
対策
- ■被塗物にハジキ要因(油等)が付着している場合、被塗物を清浄にする
- ■塗料中に異物が混入している場合は、新しい塗料に取り替える
- ■塗装エアー中のゴミ、水分、油分をフィルター、ドライヤーを設置し除去する
- ■塗装雰囲気中にシリコン等がある為、ブース内の換気をよく行い添加剤等により調整を行う
対策
- ■蒸発速度の遅いシンナーを混合する
- ■塗料粘度を下げる
- ■塗料の電気抵抗値を下げる溶剤を混合する
- ■霧化エア圧を高くして塗料の微粒化を良くする
- ■被塗物の温度を下げてから塗装する
- ■ガンスピードを遅くしたり、吹付距離を短くする
- ■ブース内の風速を下げる
対策
- ■蒸発速度の遅いシンナーを混合する
- ■下塗塗膜を吸い込みにくい塗料に変える
- ■下塗塗膜を十分乾燥させる
- ■焼付条件を適正にする(規定の焼付温度に下げる)
- ■規定の乾燥時間に短くする
- ■湿度を換気などにより適正な環境にする
- ■膜厚を適正にする
- ■表面処理が正常でない場合(化成被膜不具合・水洗不良)、表面処理の見直しを行う
- ■乾燥炉内で酸性ガスが発生している場合はバーナーの不完全燃焼防止対策を講じる
対策
- ■仕様通りの溶解力のあるシンナーを使用する
- ■塗料の撹拌を十分に行う
- ■塗料を絶えず撹拌して使用する
- ■塗料粘度を適正にし、塗膜厚を薄くする
- ■希釈溶剤の量を少なくする
- ■被塗物の温度を塗装雰囲気温度近くまで上げる
- ■霧化エアー圧力を高くして十分な微粒化をする
- ■塗料圧力を下げるなど吐出量を少なくする
- ■回転エアー圧を下げて回転数を下げる(回転霧化方式)
対策
- ■仕様通りの溶解力のあるシンナーを使用する
- ■塗料の撹拌を十分に行う
- ■塗料を絶えず撹拌して使用する
- ■塗料粘度を適正にし、塗膜厚を薄くする
- ■希釈溶剤の量を少なくする
- ■被塗物の温度を塗装雰囲気温度近くまで上げる
- ■霧化エアー圧力を高くして十分な微粒化をする
- ■塗料圧力を下げるなど吐出量を少なくする
- ■回転エアー圧を下げて回転数を下げる(回転霧化方式)
対策
- ■塗料中の混入異物等を濾過する
- ■色替え時、塗料替え時には塗料タンクや塗料経路の洗浄を十分に行う
- ■古い塗料の使用を避けて新しい塗料を使用する
- ■塗装前に被塗物にゴミ等が付着している場合は、エアブロー等で十分に静浄する
- ■搬送ラインからの異物落下や搬送ラインへの異物飛来が無いように装置に対策を行う
- ■ブース内(負圧状態)への異物の飛来を防止する為の対策を講じる
- ■セッティング中や焼付炉内でゴミ等が付着した場合、搬送ラインの防塵対策を施す
対策
- ■希釈溶剤の量を減らし塗料粘度を適正にする
- ■吐出量を上げ、膜厚が均一になる様に塗装する
- ■塗り回数を増やして膜厚を上げる
- ■塗料自体の隠蔽力が低めの塗色(赤系、黄系)では、隠蔽膜厚等を考慮した塗料選定を行う
- ■塗料の付きまわり性の良いシンナーを使用する
対策
- ■焼付乾燥温度を規定の温度に上げるか、焼付乾燥時間を長くするなどして条件を適切にする
- ■塗装雰囲気に硬化阻害を起こす成分(可塑性物質等)がないか確認し、付着しない様に換気等を十分に行う
- ■被塗物が均一な温度分布になるように乾燥炉の熱風吹出部を調整する
- ■塗膜厚を均一にし、極端な厚塗りを避ける
- ■硬化剤の混合比を適正にする
- ■雰囲気温度を上げる
対策
- ■表面にゴミ・油・水分・さび等が付着していないように十分に清浄にする
- ■下塗り塗膜や素材を十分に研磨する
- ■塗料を適正且つ十分に混合する
- ■規定の塗膜厚にする
- ■焼付乾燥条件を適正にする
対策
- ■被塗物温度を室温まで上げて塗装する
- ■希釈溶剤に蒸発の遅い溶剤を混合する
- ■メタノールの少ない溶剤を使用する
- ■湿度を換気などにより適正な環境にする
- ■エアースプレーの吹付圧力を適正にする
- ■エアー中の水分等をドライヤーを設置して除去する
対策
- ■一度開封した物は、出来る限り早く使い切る (長期保管をしない)
- ■小さな容器を使用するなどして容器中の空間を狭くする。
- ■高温状態の場所で保管せず、冷暗所にて保管する
対策
- ■塗膜厚を適正にする(薄く塗装し乾燥後の塗り重ねを行う)
- ■薬品、乳化剤、可塑剤などの塗膜を軟化させるものが触れないようにする
- ■通風を良くし乾燥、硬化を促進させる
- ■塗料のガラス転移点が高めのものを選択する
- ■除湿乾燥を行って湿度を下げる
粉体塗料
対策
- ■過剰膜厚による場合は、吐出量、塗装時間を減らすなどして膜厚の適正化、均一化を図る
- ■被塗物の端部側に傾向的に発生する場合、被塗物のアース状況を確認し、塗装時の電圧を上げる
- ■塗装時の被塗物温度が高すぎる場合、被塗物温度を下げる
- ■タレにくい塗料を選定する
- ■被塗物の焼付温度の上昇が遅すぎる場合、昇温カーブを測定し適切な温度設定を決める
対策
- ■被塗物の素材が鋳物・アルミダイキャスト、亜鉛めっき材などの素材に小さな孔があるものは、空焼きを行うか、またはプライマーで封孔処理を行う
- ■粉体塗料をピンホール対策品に変更する
- ■過剰膜厚を避け標準膜厚を守って脱泡不良を解消する
- ■被塗物の焼付温度の上昇を緩やかにする
- ■ゴミ等の異物除去を徹底する
- ■乾燥炉温度・焼付時間を適正に保つ
対策
- ■被塗物にハジキ要因(油等)が付着している場合、被塗物を清浄にする
- ■異種の粉体塗料が混入している場合は、別のロットの塗料に入れ替える
- ■異種の粉体塗料使用時に塗装機やブース等の清掃作業を徹底する
- ■塗料中に異物が混入している場合は、ろ過を行い異物を除去するか新しい塗料に取り替える
- ■塗装エアー中のゴミ、水分、油分をフィルター、ドライヤーを設置し除去する
対策
- ■塗装膜厚の不足や過剰膜厚を避ける
- ■塗装時の被塗物温度が高すぎる場合、被塗物温度を下げる
- ■塗装時の電圧を被塗物に対して適正な電圧まで下げる
- ■静電反発が発生している場合、電圧を下げ、被塗物のアースを十分にとって被塗物とガン先距離を離す (※静電反発の項を参照)
- ■塗料が古すぎるまたは保管条件が悪いなどの場合は新しい塗料に取り替える
- ■被塗物の焼付温度の上昇が遅すぎる場合、昇温カーブを測定し適切な温度設定を決める
対策
- ■限界膜厚以上にならないように、吹付量を減らすなどして規定膜厚で管理する
- ■印加電圧を下げる
- ■被塗物とガンの距離が近すぎる為、適正な距離にする
- ■被塗物のアースを十分にとる
- ■リコート時は塗膜に静電気が残っている可能性があるため確実な除電対策を行う(除電対策:アースを十分に取る、除電装置の設置、軽い水拭き後乾燥、等)
- ■摩擦耐電方式(トリボ)に変更する(塗装機と同時に粉体塗料も摩擦耐電(トリボ)タイプへの変更が必要)
対策
- ■オーバーベイクの可能性がある為、焼付温度を下げるなど焼付条件の再検討をする
- ■ガスチェッキングの場合(シワや縮みが出ることもある)は、焼付炉内の雰囲気ガスの清浄化を行う。
- ■湿度が異常に高い時は、換気を十分に行い湿度を下げる
- ■表面処理が正常でない場合(化成被膜不具合・水洗不良)、表面処理の見直しを行う
- ■回収粉の影響による場合は、新粉と回収粉の割合を適正割合に調整する
- ■膜厚不足でゆず肌気味の時はゆず肌対策をとる
対策
- ■オーバーベイクの可能性がある為、焼付温度を下げる
- ■ガスチェッキングの場合(シワや縮みが出ることもある)は、焼付炉内の雰囲気ガスの清浄化を行う。
- ■ヤニ等による焼付炉内の汚染の可能性がある為、炉内の点検・清掃を行う
対策
- ■塗料中に異物が混入している場合、フィルター等を使い十分に塗料を濾過する
- ■セッティング中や焼付炉内でゴミ等が付着した場合、搬送ラインの防塵対策を施す
- ■塗装前に被塗物にゴミ等が付着している場合は、エアブロー等で十分に静浄する
- ■塗料が古いなどブロッキングやゲル化が発生して十分に溶けきらない塗料が塊になった場合は、ふるい機により不良粉を除去するか塗料を新しいものに変える
対策
- ■膜厚が薄すぎるので、吐出量を上げ、均一になる様に調整する
- ■ガンノズルの詰まり(ブロッキング等)による吐出不足の場合、十分に清掃しエアー中の水分混入等を確認する
- ■自動塗装機の動き・コンベアスピードの再調整を行う
対策
- ■焼付条件が不適切の場合(焼付温度不足・焼付時間不足)、炉温測定を行い焼付条件の適正化を図る
- ■塗装雰囲気に硬化阻害を起こす成分(可塑性物質等)がないか確認し、付着しない様に換気等を十分に行う
- ■部分的な硬化不良の場合、炉温測定で各部位の温度を測定し,部位毎の温度差をなくす
対策
- ■表面にゴミ・油・水分・さび等が付着しないよう、十分に洗浄する
- ■下塗り塗膜を十分に研磨する
- ■焼付条件が不適切の場合(焼付温度不足・焼付時間不足)、炉温測定を行い焼付条件の適正化を図る
対策
- ■粉体塗料の保管温度の確認(常時30℃以下にて保管)
- ■粉体塗料は直接水分に触れさせず、密閉した状態で保管する
- ■使用エアーに油や水分が混入している可能性の場合、十分に除去する
- ※夏季粉体塗料の保管方法について
対策
- ■色替え時に前に使用の塗料が残っていた為で、塗料タンク・塗装ガン・塗装ブースの清掃を今一度十分に行う
- ■塗装ブースをその色の専用ブースにする・塗装機をその色専用の塗装機にする
- ■コンベア上部等の清掃を行う
対策
- ■印加電圧が高すぎる場合、被塗物に適した電圧に設定する
- ■粉体塗料の吐出量が多すぎる場合、吐出量を調整する
- ■塗り方による場合、端部への吐出時間を調節する
- ■被塗物とガン距離が近すぎる場合、距離を調整する。
- ■粉体の粒径が大きすぎることによる場合、ふるい機などを使用して適切な粒度分布になるようにする。
水系塗料
対策
- ■塗装粘度を高くする
- ■膜厚が厚過ぎる可能性がある為、吐出量を少なくし、膜厚の均一化を図る
- ■部分的に塗料が溜まっていないかを確認し、塗装機とハンガーの関係を調整する
- ■チキソ性の高い塗料に変更する
- ■ブースおよび乾燥炉までのゾーンの環境を調整する(温度、湿度を適正にする)
対策
- ■塗装粘度を下げる
- ■塗膜厚を薄めにする
- ■セッティングの時間を長目にとる
- ■被塗物の焼付温度を急激に上げない様に、焼付炉入り口付近の昇温スピードを緩やかにする
- ■塗料中の泡が弾けたことによる場合は、撹拌後、しばらく放置するかもしくは塗料循環を行って塗料中の泡(混入空気)を抜く
対策
- ■被塗物に油等のハジキ要因が付着している可能性がある為、よく洗浄しエアーブローを行う
- ■塗料中に異物が混入している場合は、別のロットの塗料に入れ替える
- ■塗装雰囲気中にシリコン等がある為、ブース内の換気をよく行い添加剤等により調整を行う
- ■塗料中の泡が弾けたことによる場合は、撹拌後、しばらく放置するかもしくは塗料循環を行って塗料中の泡(混入空気)を抜く
対策
- ■一度開封した物は、出来る限り早く使い切る(長期保管をしない)
- ■高温状態の場所で保管せず、冷暗所にて保管する
対策
- ■オーバーベイクの可能性がある為、焼付温度を下げる
- ■湿度が以上に高い時は、換気を十分に行い湿度を下げる(水の蒸発を促す湿度管理)
- ■下塗塗膜を吸い込みにくい塗料に変える
- ■下塗塗膜を十分乾燥させる
- ■膜厚を適正にする
- ■表面処理が正常でない場合(化成被膜不具合・水洗不良)、表面処理の見直しを行う
- ■乾燥炉内で酸性ガスが発生している場合はバーナーの不完全燃焼防止対策を講じる
対策
- ■塗料の撹拌をよく行う
- ■塗料粘度を適正にし、塗膜厚を薄くする
- ■長期保存により顔料の凝集などが発生することがあるので、出来る限り早く使い切る (長期保管をしない)
対策
- ■塗料中に異物が混入している場合、フィルター等を使い十分に塗料を濾過する
- ■セッティング中や焼付炉内でゴミ等が付着した場合、搬送ラインの防塵対策を施す
- ■塗装前に被塗物にゴミ等が付着している場合は、エアブロー等で十分に静浄する
- ■長期保存された塗料が十分に撹拌・溶解がされていない場合は、撹拌を十分行い濾過を行う
対策
- ■膜厚が薄すぎるので、吐出量を上げ、均一になる様に調整する
- ■塗装粘度を高くする
- ■塗料自体の隠蔽力が不足している場合(赤系や黄系の塗料はスケやすい)、隠蔽膜厚等を考慮し塗料選択を行う
対策
- ■焼付条件が不適切の場合(焼付温度不足・焼付時間不足)、炉温測定を行い焼付条件の適正化を図る
- ■塗装雰囲気に硬化阻害を起こす成分(可塑性物質等)がないか確認し、付着しない様に換気等を十分に行う
- ■部分的な硬化不良の場合、炉温測定で各部位の温度を測定し,部位毎の温度差をなくす
対策
- ■表面にゴミ・油・水分・さび等が付着しないよう、十分に洗浄する
- ■下塗り塗膜を十分に研磨する
- ■塗料の混合比が適正でなかった場合、秤を使い正確に混合比を測り十分に撹拌する
- ■焼付条件が不適切の場合(焼付温度不足・焼付時間不足)、炉温測定を行い焼付条件の適正化を図る
- ■規定の塗膜厚にする
対策
- ■大きな缶で少量の塗料を保管しない (缶内部の空気の量を減らす)
- ■一度開封した物は、出来る限り早く使い切る (長期保管をしない)
- ■高温状態の場所で保管せず、冷暗所にて保管する