保護や美観付与という基本機能だけではなく、近年ではさまざまな機能や性能を付与することができる機能性塗料が開発投入され注目されています。例えば、飲料缶の陳列棚に潤滑性を付与したり、屋外に設置する配電盤やキュービクルの外装パネルに遮熱機能を付与したりといった事例や、車のボディーにも遮熱塗料が採用されるなど製品の差別化のポイントにもなっています。お客様のさまざまなニーズを機能性塗料で解決できるかもしれません。アックでは永年のノウハウと高い情報力でさまざまなご提案をさせて頂きます。
固体潤滑剤や特殊なフィラーを塗料樹脂(バインダー)中に均一分散させた機能性塗料で、それにより摺動性、耐磨耗性、非粘着性に優れ、摩擦力の低減・繰り返し摩擦に耐えることが出来ます。フィラーの種類やバインダーの種類を選択する事で特徴を活かした潤滑塗膜を得ることができます。また、フッ素樹脂をバインダーに使用しその特長である非粘着性、耐薬品性、耐磨耗性、スベリ性に加え、密着性、耐熱性にも優れた性能を発揮する潤滑塗料もあります。潤滑塗料を使用する事でオイル等の液体潤滑材を使用しない「ドライフィルム潤滑」が可能となります。
二硫化モリブデン・グラファイト・フッ素樹脂・窒化ホウ素などの固体潤滑剤をバインダーに配合することですべり面の摩擦を下げたドライフィルム潤滑状態とします。種々のバインダーを使い分けることで金属用やゴム用、また熱環境下で使用可能な耐熱潤滑も可能となります。
・固体潤滑剤の種類と組み合わせによる特徴の違いやバインダーの種類による性状が多様であるため、用途・使用環境・要求性能などを考慮して最適なタイプを選択する必要があります。
耐熱性・耐候性に優れたシリコーン樹脂を主成分とし、高温環境下での劣化していく金属素材の熱酸化を防止し、美観及び防食条件を充たす塗料です。
シリコーン樹脂は300℃前後から有機質被膜(一般の塗膜)から無機質被膜(セラミックのような膜)に変化することで耐熱性に優れています。
・常温の乾燥で半硬化まではしますが、塗膜を完全に硬化(焼成)させる為には規定の温度まで熱をかける必要があります。
・被塗物(素材)の温度条件や要求される性能に応じて最適な塗料を選定することが必要です。
コーティングするだけで素材表面の放射率が向上し、より多くの熱を放射することが可能になる塗料です。素材自体の温度や雰囲気温度を下げて熱による性能低下などを抑制することができます。
熱放射(熱輻射)の熱伝導を利用して熱を放出しやすくしています。
・発生熱量に応じて耐熱温度適性が必要となるため温度に応じた塗料選定が必要です。
太陽光のうち近赤外線領域を反射することにより塗膜や躯体の温度上昇を抑制する塗料です。温度上昇を抑制することによって躯体ならびに塗膜自身もの熱劣化を抑制する効果があります。太陽光の赤外線領域の反射を持続するため、塗料には高耐候性や低汚染性が付与されています。
熱伝導率の低い中空セラミックバルーン等と特殊顔料の相乗効果により、太陽光の特に近赤外線領域を効果的に反射させることで素材の温度上昇を抑制します。中空セラミックバルーンは長波放射率を高める働きをもっています。低汚染性の付与で吸熱の原因となる大気中に浮遊するカーボンの付着を減少させて遮熱性能の低下を防いでいます。
・濃色系での遮熱効果は白色や淡彩色に比べて小さくなる為、色彩に限界があるので検討が必要です。著しく表面が汚損される環境下に置かれるものについては遮熱効果の持続性が低下するため好ましくありません。
塗膜に導電性を持たせ、静電気を防止したり帯電を防止する機能有しています。様々な電子機器において静電気が要因として起こる誤作動への対策として静電気の帯電防止の効果を付与します。
電気を通すことの出来る各種金属パウダー、導電性カーボン、特殊導電顔料等の導電材を塗料樹脂中に均一分散させて通常は絶縁に近い塗膜に導電性を持たせ静電気の放電を促します。
・塗料によって付与できる電気抵抗値特性が異なるため、要求する導電性・帯電防止性に応じて塗料を選定する必要があります。
塗膜に導通性を持たせ電磁場の透過を制限し電磁波を遮蔽することで様々な産業機器や通信機器、精密測定機器などから発せられる電磁波による誤作動やその他の影響から守る塗料です。
銀・銅・ニッケルなどの金属パウダーが塗膜中に分散されることにより、それまで帯電体であった各種プラスチックを通電体にし、電磁波を発生する産業・通信機器へのシールド効果、また精密測定機器等の誤作動防止を可能にします。
・最適なシールド効果が得られる抵抗値(各種金属パウダー・バインダーによって異なる)を確認し、塗料を選定する必要がある。
・塗料の沈澱が早い為、使用期限を守って下さい。
ゴムは柔軟性が高くて柔らかいという素材特徴を活かし、振動の防止・吸収や、製品・使用者の安全保護の目的として使用されています。しかしその一方で、性能による色の制限や耐久性や耐候性にも問題があります。ゴム用塗料は、ゴムの特性を活かしたままで、鮮やかな彩色性を付与し、耐久性・耐候性・耐溶剤性などを向上する事が可能になります。また、タイプによっては導電性を付与するものもあります。
弾性のあるウレタン樹脂等を使用してゴム系の素材に追従させることで優れた付着性と伸度を付与する事が出来ます。密着性の高い樹脂配合により、素材の曲げなどに追従し割れにくくしています。現在では水性タイプのゴム用塗料もあります。
・溶剤タイプを使用する場合、ゴム系素材は耐溶剤性が悪い為必ず専用シンナーを使用してください。
・密着性はゴムメーカーによって異なり、ゴムに含まれている成分や離型剤の影響を受けて密着が悪くなる場合があります。(密着向上剤を使用すると密着が向上します。)
有機・無機の蛍光蓄光顔料を塗料樹脂中に均一分散させた機能性塗料で、紫外線や可視光線を浴びて蛍光色に光ることによって安全防災手段として視認性を向上させたり、災害時など電源不要の蓄光指示標識としての役割もします。
・蛍光とは紫外線エネルギーを吸収して電子が励起し、そのエネルギーを可視光線として直ちに放出するもので、電磁波エネルギーが当たっている間のみ発光します。顔料はバリウムやストロンチウム、亜鉛などの硫化物であり、紫外線に刺激されて蛍光を発し、刺激を停止すると発光は止まります。
・蓄光とは紫外線などの光エネルギーを吸収し、急に暗闇になった場合でも蓄積していた光エネルギーを徐々に放出し発光し続けるもので、吸収する光エネルギーが強ければ強いほど、より明るく、長時間発光をすることが出来、弱ければ発光も暗く、時間も短くなります。
・蛍光塗料・蓄光塗料ともに一般的な塗料に比べて耐候性が劣るため、紫外線の影響程度に応じた樹脂タイプの選択が必要です。
有機・無機の蛍光蓄光顔料を塗料樹脂中に均一分散させた機能性塗料で、紫外線や可視光線を浴びて蛍光色に光ることによって安全防災手段として視認性を向上させたり、災害時など電源不要の蓄光指示標識としての役割もします。
・蛍光とは紫外線エネルギーを吸収して電子が励起し、そのエネルギーを可視光線として直ちに放出するもので、電磁波エネルギーが当たっている間のみ発光します。顔料はバリウムやストロンチウム、亜鉛などの硫化物であり、紫外線に刺激されて蛍光を発し、刺激を停止すると発光は止まります。
・蓄光とは紫外線などの光エネルギーを吸収し、急に暗闇になった場合でも蓄積していた光エネルギーを徐々に放出し発光し続けるもので、吸収する光エネルギーが強ければ強いほど、より明るく、長時間発光をすることが出来、弱ければ発光も暗く、時間も短くなります。
・蛍光塗料・蓄光塗料ともに一般的な塗料に比べて耐候性が劣るため、紫外線の影響程度に応じた樹脂タイプの選択が必要です。
ある特定の温度になるとはっきり変色する特殊な塗料で,物体の表面温度の測定や監視に用いらることができます。特定の温度で一度変色しても、冷却すると再び元の色に戻り、一度塗ることにより繰り返し使用できる『可逆性』タイプ、温度上昇により明瞭に変色するが、湿気によって原色に復色する『準可逆性』タイプ、温度上昇により明瞭に変色し一度変色すると原色に戻らない『不可逆性』タイプがあります。
特定の温度において明確な変色をする顔料を配合した特殊塗料です。
・可逆性・準可逆性・不可逆性などがあり性質をご考慮して使用することが必要です。
・準不可逆性タイプは湿気により原色に復色しますが、くり返しの使用には不適です。
素材の色付けを目的とするだけでなく、塗膜に立体的な均一・不均一な模様を形成させることにより、・高級感や高い意匠性・視認性を付与し、また傷などを目立たなくさせることが出来る塗料です。主に家電製品やOA機器・精密機器、工作機械や門・柵などのガーデンエクステリア関連に使用されています。 模様の種類によっては溶剤型の塗料のみでなく粉体塗料のタイプもあります。
シリコン添加剤やノンシリコン添加剤などにより塗膜表面に不均一な凹凸を形成するハンマートン模様や、ビーズや特殊樹脂を塗膜中に配合することにより大小の梨地を形成させるレザー調模様、熱硬化における樹脂硬化速度の差を使用することにより縮んだような模様を形成するチヂミ模様、アルミ顔料の高輝度により金属光沢塗膜を形成させるメタリック塗料などがあります。
シリコン添加剤使用の模様塗料は、シリコンの空中浮遊によってその他の塗装品のハジキの原因になる為、専用の塗装ブースにて塗装を行う様にして下さい。
擦り傷防止塗料・自己治癒(修復)塗料とは、高硬度の塗膜でキズが付くのを防止する、あるいは塗膜自体に復元性を持たせてキズを防ぐ塗料です
塗膜表面をより平滑に保って滑りやすくすることで加わる衝撃を逃がして傷を付きにくくします。擦り傷防止は塗膜の架橋密度を高くすることで塗膜硬度を高くして耐擦傷性を高くしています。自己治癒(修復)は、逆に塗膜に柔軟性を持たせ塗料内部の化学的な構造をバネのような弾力のある高分子樹脂構造にすることで加わる衝撃を柔らかく受け止めて跳ね返すことで付いた傷を修復させることができるようにしています。
・用途や要求事項に応じて選択が必要です。
・擦り傷防止タイプでは高硬度になるほど摩耗性には強くなりますが衝撃性は弱くなります。